【開催レポート】上野千鶴子さん×ハナラボトークセッション（7/13）

5月に募集を開始して、あっという間に人気で満席になった「上野千鶴子さん×ハナラボトークセッション」。集まったのは、それぞれの場所でがんばっている女性たちでした。彼女たちに上野先生の言葉はどんなふうに響いたのでしょうか。

上野千鶴子さんといえば、女性学・ジェンダーの研究者、フェミニズムの大家として有名ですよね。そんな上野先生と女性たちのトークセッション「女を、生きのびろ！～働く女たちの新しいサバイバル作戦～」の企画が立ち上がったのが、4月。

 わたし（ハナラボ代表　角）の同級生である、朝日新聞社の編集者、山口真矢子さん、山口さんのママ友である講談社の編集者、浅野聡子さんと3人で企画を温めてきました。

5月に募集を開始したところ、あれよあれよと参加者が増え、すぐに満席に。上野先生の著書「女たちのサバイバル作戦」を読んで、質問や相談を事前に投稿するという宿題つきイベントにも関わらず、最終的には10代〜60代の女性43名が参加してくださいました。

そして、7月13日日曜日14時にトークセッションがスタート。まずは、山口さんから上野先生のこれまでを紹介。上野先生の若い頃のお宝写真や、アグネス論争、話題になった著書など、よく集めてきたなあ〜というネタで満載。さすが編集者ですね〜。上野先生の軽妙でチャーミングなトークに、冒頭からみんなぐっと心をつかまれました。

その後は、上野先生へのQ&A。事前に集めた質問や相談は、想像以上に長文が多くてビックリ。みんなそれだけ、女性の生き方働き方に想いがあるんですよね。そのみんなの想いを、もう一人の編集者浅野さんが、キャッチーにうまーくまとめてくれました（ちなみに「女を、生きのびろ！」のキャッチも浅野さん作です♪）。

質問一つひとつに上野先生が真剣に答えてくれました。とっても愛情深く、もがいている私たちをあたたかく励ますように、ときに笑いを交えて話してくださいました。

中でも「意欲と能力を全開にする必要はない。つけは自分の体と心にくるよ」という話が心に残っています。集まった女性たちの多くは、まさに全開で生きている人たち。自分の力でなんとかしなくちゃと、日々もがいています。環境のせいにするのではなく、自分のせいにしてしまう。上野先生の言葉に救われた女性たちがたくさんいるんじゃないでしょうか。

熱くてあったかい上野先生のQ&Aのあとは、みんなで考える「サバイブするための三種の神器」。初対面の5人1組で、たったの15分で話し合うという無茶ぶりなグループワークでしたが、とっても素敵な神器をたくさん考えてくれました。みんな、グッドジョブです！

1. 仲間
2. 異文化と繋がる
3. 焦らない
4. つながり
5. 自分を追い込まない
6. 女性をうまく使う
7. ロールモデルを見つける
8. 会社の中で専門性を身につける
9. 会社の外にもコミュニティをつくる
10. 場に出向くフットワーク
11. 闘い方を知り、時には逃げもあり！
12. 世界は変わる、と信じる
13. 人手
14. リアルなぶっちゃけトークができる相手
15. さぼいる技術
16. したたかさ
17. 自分を許す力
18. 助けてあげたくなるキャラ
19. マルチプル
20. 10年ごとの計画を立てていく
21. 大事なときにはけんかする

みんなの発言を聞いた上野先生から、こんなコメントがありました。「ソーシャルキャピタル（社会的な関係性が資本となるという考え方）にはボンディング型（内部での仲間的な結びつき）、ブリッジング型（外部との異なる人々との結びつき）の二種類がある。これからの時代に必要なのは、ブリッジング型のネットワークですよ」と。

「異文化とつながる」「（外との）つながり」「会社の外にもコミュニティをつくる」まさに、このトークセッションの場も日常生活では出会わない人たちとつながる場でした。

そして、愛情溢れる「人に上手に迷惑をかけるスキルを身につけましょうね。小さいことでもいいから、達成感を作っていってね。そして、世界は変わると信じていきましょうね！」との言葉に、会場は「上野先生、ついていきますっ」という空気に包まれていましたね。

「女たちのサバイバル作戦」の帯にはこう書かれています。「追いつめられても手をとりあえない女たちへ」と。でも、少なくとも、この場にいた女性たちは手をとりあおうとしている。そう強く感じた一日でした。

記念撮影のあとは、昨日お誕生日を迎えた上野先生へのサプライズ！
山口さんが用意してくれた、上野先生の似顔絵入りのバースデーケーキに上野先生も大喜び。次の予定のため、上野先生は急いで会場をあとにしましたが、その後も会場には参加者が残って、交流を深めていました。もう、盛り上がりすぎて、声がよく聞こえないくらいで（笑）。

みなさん、ありがとうございました！また集まりましょうね！
そして、この企画に尽力してくれた、山口真矢子さん、浅野聡子さん、ありがとうございました。二人のプロフェッショナルぶりに、とても感動しています！