がんばらないといけないのは、わかってる
がんばりたいとも思ってる
でも、何をがんばればいいのかわからない
がんばろうとしてもがんばれない
どうしよう?
何も続かない自分がイヤ
自分が好きになれない
自信なんて持てない
6月から十文字学園女子大学で、3回連続の1年生向けキャリア講座を行いました。
1回目、2回目はハナジョブの「先輩インタビュー」を用いて、先輩たちがどうキャリアを築いてきたのか、自分はどんな仕事に関心があるのかを考えてもらいました。
先輩たちが今のキャリアを手に入れているのは、そこに至る努力があったから。講座に参加した学生たちは、どのインタビュー記事を読んでも、みんなが同じように努力しているのに驚いたようでした。
がんばらないといけないのはわかったけど、どうすればいいの?
でも・・・がんばらないといけないのはわかったけど、どうすればいいの?
ってことなんです。
冒頭の言葉は、1回目、2回目を通して聞こえてきた、彼女たちの心の声でした。
最初は何かしら、将来の方向性が見つかればいいなあ〜なんて思って、始めた講座でした。でも、当たり前ですけど、そんなに簡単に見つかるものじゃありませんよね。
結局は「積み重ね」が自分を作る。未来は人から与えられるものではなく、自分が作って行くもの。それさえ腹落ちすれば、きっと彼女たちは動き出すんじゃないかと思いました。
精神論じゃなくて、行動に繋げるためにはどうすればいいんだろうか。一生懸命考えました。精神論を聞いて一時的にやる気になったとしても、どう行動すればいいのかわからなければ何も変わらないですしね。
大学4年間のストーリーを考える
将来の目標を持っている学生もいれば、そうでない学生もいます。でも、目標があっても10年後は遠すぎて、「今」どうすればいいかわからないんです。
そこで、まずは大学4年間の過ごし方を考えてもらうことにしました。サンプルとして、用意したのは「ダメな女子大生A子さん」のお話です。
何をやっても続かなかったA子さん。あることがきっかけでランニングを始め、4年生のときにはフルマラソンに出場するというストーリーです。フィクションですが、現実に起きた話を基にしています。
大学1年 夏 | 英語、サークル、アルバイト・・・いろいろ挑戦したけれど、なかなか上達しないし、つまらなくなってやめてしまった。何も続かない、自分が本当にイヤ。 |
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大学1年 秋 | お母さんから「あんた、ほんとに何も続かないわね」と言われて、ショック。何でもいいから続けよう。そうだ、ダイエットにもなるしお金もかからないから、ランニングでも始めよう。 |
大学1年 春 | 最初は1キロしか走れなくて、何度もやめようと思ったけれど、お母さんに言われたことが悔しくて、まだ続けてる。時間があるときだけど、5キロ走れるようになった。 |
大学2年 秋 | 自分でもビックリしたけど、1年間続けられた。1キロしか走れなかったのに、今は10キロが余裕!今度、ハーフマラソンに出てみようかな。 |
大学3年 秋 | ランニングで知り合ったおばさんに誘われて、ハーフマラソンに挑戦。見事完走!もう続かないなんて言わせないわ! |
大学3年 冬 | 就職活動が始まった。ハーフマラソンの完走で、いつのまにか自信がついていたみたい。 自己PRは、ランニングネタで。母親に言われて悔しかったこと、一念発起してランニングを始めてハーフマラソンまで出場したこと。そして、今も続けていること。 このエピソードが思った以上に評判がよく、無事に内定をゲット! |
大学4年 秋 | 学生最後の年、フルマラソンに挑戦。地元のランニングサークルに入って走り始めた。3年前の自分から、今の自分なんて想像できなかった。けど、少しずつの積み重ねが自信を作っていくんだってわかった。 社会人になって最初は仕事ができなくても、きっとランニングみたいに続けていればできるようになる。そう信じてがんばってみよう。 |
ストーリーを読んだ学生からは「こんなにうまくいくわけがない!私だったら絶対ムリ」という声。実際、これまで何も続かなかったA子さんが本当にランニングを続けられるの?という疑問もあるでしょう。
でも、「じゃあ、今のままでいいの?」と聞いたら、「それはイヤ」と。
「結局は自分が積み重ねたことが未来になるんだから、やるしかない」
学生たちもそろそろ逃げられないことがわかってきたようです。「できない」と否定したくなるけれど、とにかく「始めたことを継続できる」と仮定して、自分の4年間のストーリーを考えてもらいました。
大学1年から大学4年までの春夏秋冬、どんなことを積み重ねて行くのか?1年生でやったことが2年生、3年生の自分に繋がっていき、その結果どんな未来が見えてくるのか。積み重ねの一つひとつが「未来への階段」。人生には、エレベーターやエスカレーターなんて存在しないんです。
だいぶ端折りましたが(汗)、これで3回の講座は修了です。
なんだかできそうな気がする!
学生たちがどう変化したのか、感想をいくつかシェアしたいと思います。
グループワークを通して、色々な人の話が聞けて、自分の考え方も変わってよかったです。また、仕事の内容や成功した人の経緯などもわかり、参考になりました。
そして、今日、将来の計画を立ててみて、色々やることが見つかったので、3回の講座にちゃんと出席して本当によかったと思いました。みんなと話したり聞いたりしたことを、今後の大学生活に活かしていきたいと思いました。ありがとうございました。
1回目の頃は、何をするにも踏み出せないし、やりたいこともないし、自分はダメ人間だと感じていました。今日、A子さんの階段を見て、すごいことを続けようとしなくても、小さなことでも続けることが大切なのだということを感じ、また、自分でも実際に階段を作ってみて先の見通しが見えたような気がしました。
ずっと何かをやりたいと思っていたけれど、この夏に何かを見つけられるような気がします。この講座を受けて、とてもよい刺激になりました。ありがとうございました。
今日は目標を決めるということで、将来設計を話しましたが、皆それぞれ目標があって参考になること
もありました。皆で話し合うことで、将来のことを前向きに考えられるようになった気がします。まだ大学1年の夏なので、これから自分にできることを頑張っていきたいです。少しずつの積み重ねが大きな結果につながっていくということを胸において、日々精進します。考え方が大きく変わりました!ありがとうございました!
どうでしょう、みなさん。
冒頭の「がんばりたいけど、がんばれない」と言っていた学生たちと、同一人物とは思えないですよね。
学生たちは目をキラキラさせて、やる気に満ちた顔で帰ってきました。このやる気を継続させるために、十文字学園女子大学のキャリア教育センターの職員のみなさんがフォローしてくださるそうです。
最後になりましたが、大学1年生向けのキャリア講座を開催したい大学のみなさん、お気軽に声をかけてくださいませ!また、このキャリア講座を自分でもやってみたいというみなさんがいらっしゃったら、ノウハウを伝授しますので、お知らせくださいね。