10年近く前、新宿中央公園のホームレスのみなさんを取材しました。ドキュメンタリー制作ワークショップの一環だったのですが、それを元に「ホームレスに関するAtoZ」という作品を作りました。何度も足を運んで、一緒にゴミ拾いをしたり、炊き出しに参加したりしながら、色んな話を聞きました。
ホームレスになるかどうかは、誰でも紙一重。その当時、私はフリーランスで働いていたので、何にも所属せずいつ仕事がなくなるかもわからない状況で、その不安感はホームレスのみなさんと変わりませんでした。でも一つだけ違うのは、人に頼れるか頼れないか。それだけの違いなのかもしれない、と思ったことを覚えています。
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週に3回、朝6時半から1時間ほど、東京都庁の周辺で清掃活動をしている人々がいます。お揃いのウィンドブレーカーを着て、手際よくゴミを拾っていきます。彼らがホームレスであることに気づく人は殆どいません。そんな彼らのドキュメンタリーを制作しようと、平成17年11月から1ヶ月ほどホームレスを取材することになりました。
ホームレスと言えば、臭い、汚い、怖い・・・。多くの人にとって、ホームレスはそれ以上でもそれ以下でもない。しかし、誰もがホームレスになる可能性があるのです。最初からホームレスの人などいません。何らかの事情を抱え、仕事も家も家族も失って、一人で生きざるを得なかったのです。その辛さは想像に難くありません。でも、彼らは生きる力を失ったわけではありませんでした。
ホームレスといっても、人それぞれ事情も異なるし、考え方も違います。一般社会と同じで、一括りにして扱うことは難しいのです。ドキュメンタリーで伝えきれなかった彼らの姿を「26things of Tokyo homeless」として紹介します。ここで紹介するホームレスは、ごく一部のホームレスですが、少しでもホームレスへの関心が深まれば幸いです。
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この作品は2006年に武蔵美の課題として提出したものなので、8年前ですね。箱に入れてカルタ風にしたものです。もう10年近く前なので、今とは状況が違うと思いますが、関心のある方はぜひPDFもご覧くださいね。(クリックするとPDFが開きます。)
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