みなさん、こんにちは!
西川悠希(ゆき)と申します。
かつて(十数年前…!)の、女子大生です(笑)
今年からハナラボをお手伝いする事にしました。東京に住んで10年、いまだ、大阪弁の抜けない社会人です。
2月10日、午後の体験についての報告です。
○知る人ぞ知る酒蔵、七賢へ
鳥原平ビューファームを後にした私たちは、七賢という
酒蔵に案内していただきました。
七賢さんは、江戸時代創業の歴史のある酒蔵です。
日本酒大好き、でも銘柄はなかなか覚えられない…、
という私でも、知っていました!
毎年2月、蔵開きに合わせて酒蔵を解放するというイベントを
されておられます。
折しも、2月10日はその酒蔵開放の日で、たくさんのお酒の試飲ができるとのこと…。
否応なしに、期待に胸が膨らみました!
酒蔵近くの駐車場に車を止めて酒蔵の方に歩を進めると…、まず目に飛び込んできたのが、「生信玄餅」という旗。
創業が明治時代という、老舗の和菓子店、金精軒さんです。
立派なたたずまいの店舗の前に、屋台を出して、店員さんが元気よく通行人に呼び掛けておられました。店舗には、お客様がどんどんと、吸い込まれていきます。
「生信玄餅」ってなんだろう?と後ろ髪引かれながら歩くこと
数秒、ちょうど、金精軒さんのはす向かいに、立派な杉玉を軒下に吊るした、立派な看板の酒蔵がありました。どっしりした構えのその建物に、老舗ならではの風情と、気品を感じたのは私だけでしょうか。
入り口にほど近いところで、代表をされておられる、北原兵庫社長と
ご挨拶。家紋の入った法被に袖を通した社長は、突然お邪魔したにも関わらず、私たちを歓迎してくださいました。
暖簾をくぐり、引き戸を引いて中に入ると、そこには人、人、人…。
そして、かすかに、芳しいお酒の匂い…。
私も、女子大生たちも、急上昇するテンションを下げる術を
忘れて、ふらふらと中に入っていきました。
○試飲会場。「これがうまいから飲んでみろ!」
お酒の販売コーナーには長蛇の列、七賢さんの人気を肌で感じつつ、肝心の試飲会場へ。少し薄暗い会場の中にも人がたくさん。みんな小さな御猪口を手に、驚くほどたくさんの試飲用のお酒を、少しずつ楽しんでおられます。
これはなに?あれはどう?あっちが飲みたい、などなど、口々に言い合いながら、試飲。白州の美味しい水と、杜氏さんの細やかな心配りと技術によって創り上げられた香り高いお酒を楽しんでいました。
「おねーちゃん、こっちは飲んだ?」
ん?と振り向くと、少し赤い顔をしたおじさまがお二人。
ここの酒はこれを飲まなくちゃ!こっちもちゃんと飲んどきなよと、日本酒をそして、七賢さんと愛してやまないといった風で教えてくださいました。
おじさまがそこまでおっしゃるなら…、
別に私が酒飲みだってことじゃないんですよと心の中で言い訳しながら、さらにあれもこれも…。
実は、こんなやりとりをその他のおじさまたちとも何度かしました。
そのたびに、いかに七賢さんが地元の方々に愛されておられるかということを痛感。
私たちもそうでありたいと思いながら、吟醸、大吟醸、無ろ過、にごり酒、、、いろいろと楽しませていただきました。
さて、そろそろ帰ろうかと出入り口に向かうと…。
入り口を入ってすぐのところに、特別なお酒の試飲会場があるではないですか!そして、その中には、「大中屋」という高級な逸品が!
恐る恐る中に入って(選ばれた人しか入っちゃ行けないのではないかと思ったのです…)みると、ここにもいました、「これをのまなきゃだめだよ!」というおじさま!
その言葉に乗っかって、ちゃっかりいただいていたら…。
後ろからやってきた渡辺さんが、いましがたお酒をついで下さった若い男性を紹介して下さいました。
その方は、北原社長の二男、亮庫さんでした。
「ハナラボさん、新聞に載っていましたね、知っていますよ。何か一緒にできればいいですね」と、あたたかいお言葉をかけていただきました。
何か面白い事ができるかもしれない、そう思いながら、美しくも威厳ある、立派なその酒蔵を私たちは後にしました。
○武田信玄公の伝説が残る、三分一湧水
どんな土地でも、人々が生きていくためには水の問題はとても重要なことです。
飲み水はもちろん、作物を植えるためにも重要な水です。
歴史をたどれば、水争いの絶えない地域は、日本各地にもたくさんあります。
北杜市長坂のあたりもその一つでした。
八ヶ岳の麓からこんこんと湧き出る水は、下流の3つの村を潤す大切な資源でした。
それだけに、争いが絶えなかったといいます。
ある時、争い事が起こらないようにと、武田信玄公が、頭をひねって考え出したのが、均等に水が流れるような仕組みでした。それが三分一湧水です。
(武田信玄公が、というのはそう言われている、とのことでした)
陽が傾きかけた頃。
私たちはエジソンの会の小池さんの案内で、三分一湧水に立ち寄りました。
道路や田畑のある町に、突然現れた林のような一角。
まっすぐな木が何本も立ちならび、そこだけが異空間のように感じされました。
冷たい風が吹く中、茶色い落ち葉を踏みしめながら、小池さんの後について歩いていくと…。石作りの水路の真ん中に、少し広めの分水枡があり、そこに、三角形の石柱が!
なるほど、これを立てて、3つに分かれたんだから、争いをやめなさいと農民たちを諭したのかと、しばし、時空を超えて想像…。
ああ、北杜にはこうして、歴史を感じられる場所があり、人々が争いを避け、手を取り合って生きていくための、かつての知恵がたくさんあるのだ…。
そしてその知恵は、間違いなく私たち現代人に、とても大切なことを教えてくれると、確信しました。
それにしても…。小池さんのガイドは素晴らしかったです!
とても勉強になりました。
もしかして…本職はガイドさんなのかしら、なんて思ってしまったり(笑)
(もちろん、違いますが!)
北杜から学べる事がたくさんあるということを、実感した10日の午後でした。