学生たちはこれまでの学校生活で「正解を効率よく出すこと」を評価されてきました。でも、ハナラボの活動で前提になるのは「答えのない課題に立ち向かい、自ら考え行動すること」です。社会課題の解決に正解はありません。どの課題を解決するのか、どうやって解決するのか、やってみた結果をみてどう改善していくのか。誰に協力してもらうのか。模索しながら自分たちなりの答えを見つけていく必要があるのです。ハナラボでは、学生が主体となって活動するよう、できるだけ手を差し伸べないようにしています。最初は正解がどこかにあるはずだと思っていた学生も、私たちが答えを持っていないことがわかると、自分で考えるようになります。
ハナラボに参加する学生は、いわゆるリーダータイプの学生ではありません。自分で学生団体を立ち上げるほど積極的ではありませんが、好奇心を持って色々なところに「参加する」タイプの学生です。でも、それに満足せず、自ら変わりたいと考えている学生たちなのです。ハナラボではチームで活動しますが、「リーダー」は決めません。それぞれが自分なりのリーダーシップを発揮してほしいと思っているからです。リーダーについていくのではなく、自らがリーダーになったりフォロワーになったりしながら、プロジェクトを遂行するのです。多くの学生は「リーダー」がいる組織に所属していたので、最初は戸惑います。しかし、徐々に自分ができること、やるべきことを見出して、それぞれがリーダーシップを発揮していきます。
プロジェクトを通して、学生たちは次のステップを体験します。このステップを繰り返すほど、成長します。実は、このステップは、学生たち振り返りレポートから発見したもの。どの学生も同じようなことを体感していたようでした。
まず、ハナラボに参加すること自体が彼女たちにとっての「チャレンジ」です。プロジェクトが始まると、学生たちは正解のないことに挑むことの難しさを知り、壁にぶつかります。プロジェクトに参加したものの、課題自体に関心を持てず、戸惑う学生も少なくありません。実施となれば、さらに多くの壁が立ちはだかります。学生だけでは完結できない、ましてや一人では実現できないことばかりです。まずはチームメンバーが感情も含めてお互いを理解し、チームメンバーとともに、関係者や外部の専門家の知恵を借りて、壁を乗り越える必要があります。
他者の協力により、今まで自分だけではできないと思っていたこと、あるいは学生だけではできないと思っていたことができるようになります。視野や興味が広がり、様々な可能性に気づきます。これもできるかも、あれもやってみたい、とやりたいことが出てきます。その結果、プロジェクトが「自分ごと」になり、やる気や熱意が注がれるようになります。そして、自分で決断できるようになります。それがまた新しいチャレンジに繋がるのです。このときに大切なのは、他者を認めて受け入れ、オープンに進めていくことです。学生チームで主体的に進めることは大切ですが、それゆえに他者を受け入れず、自分たちだけで進めようとするチームもあります。しかし、失敗も含めてアウトプットをオープンにすることで、他者からフィードバックを受ける機会が増えます。人が関わるほど動きが加速し、質も向上して、予想以上の結果を出すことになります。
また、学生たちにとって、自分たちのプロジェクトが課題の解決に繋がり、誰かの役に立っていると実感することがとても重要です。それがモチベーションにつながり、学生もプロジェクトも成長していくのです。女子大生はそれぞれにステップを繰り返し、多くの気づきを得て成長を遂げています。その結果が、プロジェクトの成果として現れています。
ハナラボとは |
ハナラボとはハナラボは、女子学生を社会変革の担い手にすることを目指し、女子学生の創造力やリーダーシップを育むNPO法人です。 |
組織概要 |
組織概要NPO法人ハナラボの組織概要をご紹介します。設立趣意書や定款はこちらのページからダウンロードできます。 |
女子学生の創造力やリーダーシップを育む理由 |
女子学生の創造力やリーダーシップを育む理由「指導的地位に占める女性の割合が低い日本」「自信のない女性たち」「男女で異なるリーダーシップスタイル」 |