SVP東京の菅です。昨年よりハナラボの活動に参加しています。本業は九州のとある地方自治体の職員です。
そもそもハナラボの活動に興味を持ったのは、活動内容に“地域課題”というワードが含まれていたため。地方自治体で働くものとして反応しないわけがありません。でもそこに“女子大生”・・・ん?果たしてどんな仕掛けがあるのか?本当に地域課題が解決できるのか?そんな興味からハナラボの活動に携わることになりました。
私にとってのキーワードであった“地域課題”という言葉、仕事柄よく接するのですが、“地域課題”とひとことで言ってもその内容は多種多様、その数も少なくありません。私の地域で顕在化しているものだけでも単身高齢者、買い物難民、空き家問題、少子化・・・潜在的なものを含めればその数はまだまだ膨れ上がります。
では、この多種多様な地域課題を誰が解決するのでしょうか?その課題に直接関わる人たち?地域に暮らす人たち?行政? 行政!と胸を張って言いたいところですが、行政だけで対応できるものはごく一部・・・多くの地域課題は様々なステークホルダーにより取り組まれているものもありますが、手が付けられていない課題も数多く存在するのが実情です。今後、さらに増えることが予想される地域課題に対して、その地域の様々な立場の人たちが地域課題に取り組む環境をつくって行くことが重要になると考えています。
ただし、ひとつの地域課題の解決のためには、様々なステークホルダーとの調整が必要で、解決までの道のりは非常に長いことがほとんど。地域の人間関係が複雑であったり、地方自治体側がうまく地域との信頼関係が築けなかったり、地域や課題に対しての思い込みがあったり・・・課題解決の阻害要因となるものが数多く存在しています。このように地域課題が身近であるからこそ、その解決に苦労している地域は数多く存在すると考えられます。
では、このように阻害要因が盛りだくさんの地域課題の解決に対して「共感力の高い女子大生が地域に入り込み、地縁や血縁といったしがらみにとらわれることなく、地域にはなかった視点で課題解決を目指して活動する」というハナラボの活動を見てみると、多くの阻害要因にとらわれないという点からも効果がありそうですよね。
ただし、私が本当にハナラボの活動の効果として注目しているのは、ハナラボの活動を通じて、その地域に住む人たちが改めて地域が抱える課題を見つめ直し、新たな人と人の繋がりが生まれることによって、ハナラボで取り組んだ課題も含めて、地域に住む人が主体的に地域課題の解決に向けて取り組む“環境”を作り出す力を持っている点です。
ハナラボの活動を通じて、活動に参加した女子大生はもちろん、活動に接した地域に住む人や地方自治体の職員の中にも、主体的に地域課題について考え、自ら取り組む小さな“社会変革の担い手”が生まれていると感じています。これからの地域課題を解決には、地域の主体的な当事者としての小さな“社会変革の担い手”を増やしていくことが重要だと思います。
ハナラボの活動は、地域にとっては小さなものかもしれませんが、その活動は地域に波紋となって伝わり、様々な人たちを巻き込みながらどんどん大きくなり、地域を変えるきっかけを作り出すことができると力を秘めていると感じています。こんな大きな可能性を秘めたハナラボの活動をもっと広げていくためにも、今後もハナラボの活動に携わっていきたいと思います。