「Write your Future」は、フランスの化粧品ブランド「ランコム」とハナラボがパートナーシップを組み開始する、日本女性がデジタルリテラシーを高め、未来を切り拓くための支援プロジェクトです。ハナラボでは取り組みのひとつとして、デジタルを活用した未来の働きかたを想像・創造するためのFuture Workshopを開発しました。
2025年3月6日に、品川インターシティのオープンスペースでFuture Workshopを開催しました。女子学生が集まり、活気あふれる時間となりました。今回は、そのイベントの様子をレポートします。
生成AIの時代に求められるデジタルスキル
生成AIの進化を背景に、ますますデジタルスキルが求められるようになりました。いまや、デジタルを活用していない仕事はほとんど存在しません。とはいえ、学生であれば職場でデジタルがどのように活用されているのかは想像できないかも・・・Future Workshopでは、仕事や生活で起きた困りごとをデジタルで解決するアイデアを想像しながら創造していきます。さて、どんなワークショップなのでしょうか!?
今回のFuture Workshopには、清泉女子大学の安齋徹先生のご協力により、清泉女子大学・聖心女子大学の学生さんなど12名に参加していただきました。では、さっそく当日の様子をお伝えします。

キャリアトーク:ランコムソーシャル メディア マネージャー渡邉玲奈さん
渡邉さんはランコムソーシャルメディアマネージャーとして、LINE、Instagram、Youtubeなどさまざまなプラットフォームでの広告プランニングを担当するほか、雑誌広告や屋外広告も手がけていらっしゃいます。
学生時代は国際政治を専攻し、キャリアビジョンが明確にあったわけではないという渡邉さん。たまたま、日本ロレアルで働くサークルの先輩から話を聞き興味を持ったこと、世界的な企業でありながら日本ではまだ伸び代がある環境に魅力を感じて入社を決めたそうです。「人」との出会いがキャリアを決めるきっかけとなり、尊敬できる人々と共に働くことや、チームで成果を出すことがモチベーションの源になっていると話してくださいました。
入社後にデジタルに関わる部署に配属され、現在に至るまで多岐にわたるお仕事に取り組まれています。「デジタルって何?データや数字を扱うの?オンラインショップやSNSなどのクリエイティブを作るならセンスが必要なのでは?といろんなイメージがあると思いますが、結論から言うと、全部やります。デジタルは本当に幅が広いんです」とのお話に、学生たちも興味津々に耳を傾けていました。
トークの締めくくりとして、参加者へ二つのメッセージをくださいました。一つ目は「キャリアを考えるきっかけや軸は人それぞれ!」です。明確な目標がなくても焦る必要はなく、さまざまなきっかけでキャリアが見つかることを自身の経験から語られました。二つ目は「デジタルの面白さ」について。最初からデジタルに関わる仕事を志望していたわけではありませんでしたが、結果として多種多様な楽しい仕事に関われている喜びを共有してくださいました。
学生たちからは、化粧品や広告への関心、デジタル分野への新たな認識、モチベーション維持の重要性などさまざまな感想が寄せられました。デジタル分野が文系学生にも開かれていることや、キャリア選択において環境や人間関係の重要性を再認識する機会となったようです。

インスピレーショントーク:村瀬周子さん
村瀬さんは、UI/UXデザイン、ビジョンデザイン、サービスデザインなどデザイン分野を幅広く経験したのち、現在はテクノロジー企業でデジタルを活用したエンタメ事業の創出に携わっています。今回は、デジタルによって仕事や生活がどのように変化しているのかについて、レクチャーしていただきました。
「あなたのワーク(学生生活)・ライフのデジタル度を診断してみよう!」という簡単な診断から、トークがスタート。「学校や課外活動(サークル・バイトなど)などのグループ活動でのコミュニケーションスタイルは?」など3つの質問に答えることで、自分のデジタル活用度を振り返ります。
「コミュニケーションでデジタルを使っているかどうかは、社会人になっても大事なポイントです」と村瀬さん。デジタルの活用が重要な理由として、働き方に大きく影響し、違う時間や場所での業務を可能にすること、仕事の進め方においても作業の自動化によって本当にやるべきことやワクワクすることに集中できるようになること、そしてウェルビーイングの観点からデジタルを活用して健康を可視化することでより効果的に自己管理ができるようになると解説してくださいました。
村瀬さんは「デジタルを使うとワークもライフもいろんな変化があります。いろんな技術を使ってワークもライフも素敵なものにしてもらえたら嬉しいです。日々妄想してみてください」と参加者に語りかけつつ、「一方でリアルな体験も大事。調べるだけじゃなくてリアルな体験もたくさん楽しんでくださいね」とバランスの大切さも強調されました。
学生たちからは、ワークとライフのバランスにおけるデジタルの重要性や、デジタル活用による働き方の変化についての気づきが多く寄せられました。自己診断を通して自分のデジタル度を知り、今後の生活やキャリアにどう活かせるかを考えるきっかけになったようです。

ワークショップ:未来のお仕事ショートショート!
トークセッションのあとは、ワークショップです。ハナラボの共同代表、森下がファシリテーションしていきます。参加者は3人1組のグループに分かれ、「環境」「お仕事」「ミッション」のカードを直感で1枚ずつ選びます。
カードの組み合わせから生じる困難をデジタルでどう乗り切るかを考え、ショートショートを作成します。ショートショートとは短編小説よりも短い物語です。さて、どんな物語が生まれたのでしょうか?
とあるグループのショートショートを紹介しましょう。環境カード「実家を手伝い、2拠点生活」、お仕事カード「バリバリプログラマー」、ミッションカード「ステキなおもてなしを実現してみてください」を選んだチームは、こんな物語を考えてくれました。
「京都に実家があり、オーバーツーリズムの問題が起きています。そこで、テレワークで仕事をしながら観光客に向けて素敵なおもてなしを実現したいと考えました。観光客はSNSでおすすめに出てきた場所や口コミで見たところに行きがちです。そこで、プログラミングスキルを活かして、観光スポットと地元民おすすめのサービスをAIで組み合わせるサービスを開発し、観光客のニーズに応えていくことにしました。」
どうでしょう?想像力豊かに未来のお仕事を描いていますよね。渡邉さんからは、物語が非常に具体的で、まるで実際に仕事をしているかのように感じられたこと、そしてミッションに対する課題解決まで現実的に考えられている点が素晴らしいとコメントをいただきました。

参加者の声
ワークショップ終了後、多くの参加者から前向きな感想をいただきました。その一部をご紹介します。
「具体的な仕事内容だけでなく、人や環境から企業の魅力を理解することもあると話されていたことが勉強になりました。自分が何をやりたいか分からなくなった時は何をしたいかだけではなくどういう環境にいたいかなど違った視点から俯瞰して自分と向き合いたいと思います。」
「デジタル化によって様々な働き方が可能になったことを学ぶことができました。また、診断ではポテンシャルありだったので生活にデジタルを取り入れて行こうと思いました。」
「デジタルを日常に積極的に取り入れることで選択肢を省かなくともバランス良く欲張って生きていけると学ぶことができました。デジタルのイメージが変わったと同時に、その可能性を感じられるワークショップでした。」
今後に向けて
Future Workshopは、今後も教育機関等と連携して開催する予定です。開催を希望される場合は、お問い合わせよりご連絡くださいませ。
最後になりましたが、渡邉さん、村瀬さん、そして清泉女子大学の安齋徹先生、参加してくださった学生の皆様、本当にありがとうございました。

▼清泉女子大学・地球市民学部のYoutubeで当時の様子が紹介されています。ぜひご覧ください。
▼清泉女子大学安齋ゼミ noteでもご紹介いただきました。
https://note.com/anzaiseminar/n/nc35fe3d525e2
開催協力:清泉女子大学安齋ゼミ 日鉄興和不動産株式会社(会場提供)
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