インターンのまこです。前回のブログから大分時間が経ってしまったのですが、3月に開催した写真展の連載の3回目です。
(第3回は写真展を通して出会ったみなさんのことを書こうと思っていたのですが、予定を変更して、「フォトブック」をテーマにします)
今回の写真展の目玉?の一つがフォトブックでした。
「ヨコハマ」と「photografille」の2種類をつくりました。「ヨコハマ」は大佛次郎のエッセイにイベントで撮った写真をあわせたもの、「photografillle」はカメラ女子の写真をあつめたものです。
このフォトブックも、写真展を企画したはじめのうちは、全く考えていなかったのですが、幸運が重なって、このように作ることができました。
ところでみなさん、フォトブックって目にしたことはありますか?
各メーカーからいろいろな種類のものが出ていて、形も様々です。私は今まで存在を知っていただけで、実際に見たことはありませんでした。 では、どうしてフォトブックを作るまでにいたったのかといえば、キヤノンさんとの打ち合わせの時に、机の上にこのサービスのチラシが置いてあったことがきっかけになります。 以前のブログにも書いていますが、今回の写真展はキヤノンマーケティングジャパン株式会社のご協力で開催しました。1月にご協力のお願いに伺ったのですが、場所はキヤノンプラザ銀座という、カメラやプリンターなどの製品を使ってみることもできるようなところでした。(写真講座などいろいろなイベントも開催されているので、ここはかなりおすすめです 笑)
そして、そこにフォトブックもたくさん展示されていたんです。 きちんと製本されてきれいな印刷、というクオリティーに感動して、さらにそれらが全部ネットで簡単に編集&注文できると聞いて驚きました。
ちょうどそのころ、私たちはカメラ女子ってかわいいよね♡と盛り上がっていたので、カメラ女子を集めたフォトブックを作ったら面白そうじゃない?となり、フォトブックもキヤノンさんに提供していただくことになりました。
となったら、次に頑張るのはフォトブックの編集作業です。たくさんある写真のなかから選んでいく作業は大変でしたが、イベントに参加してくれた子に協力してもらいながら、カメラ女子の写真を選びました。苦戦しながらレイアウトをして、フォトブックの1冊目「photografille」を完成させました。
そして、私はそのころ、大きな(?)悩みを抱えていました。
それは、大佛次郎の文章と写真のつながりが見えづらい!ということでした。 写真イベント「レンズで見つめるMy Town!」は、大佛次郎とのつながりを出せるように意識しながら作りました。エッセイや小説を撮影にいかす、という難しそうなことにも挑戦しました。
でも、それが写真展ではうまく伝えることができなさそうな状態だったんです。 (実際、写真展が始まってみて、何の写真展なのかわかりづらい、と結構反省したので、つまりここの大佛と写真のつながりを見せる工夫が足りなかった、ということなんだと思います。)
まあ、やってみてどうだったか、は別として、とにかくその頃私は、イベントにはあった大佛と写真のつながりを写真展の場でも伝える「何か」を探していたんです。
そして、そこで思い付いたのが、文章と写真を混ぜたフォトブックを作ろう!ということでした。第5回のイベントで使ったエッセイ「ヨコハマ」に出てくる場所と、今回撮影を行った場所がほぼかぶっていたんですよね。
大佛次郎が当時見ていたヨコハマについて書いた文章にあわせて、イベント「レンズで見つめるMy Town!」で参加者が撮った、今のヨコハマの写真を載せる。文章と写真のコラボが実現されるし、すごく面白そう、と思いました。そして、写真集を見るような感覚で大佛の文章を読んでもらえるのではないだろうか? これを使わない手はない!と思いました。
ただ、大佛次郎はまだ没後40年で、著作権が保護されているため、文章を使うためには、著作権継承者の方の許可が必要なんです。 それから、写真展の初日に間に合わせるためには、1週間ほど前に注文しなければなりません。
正直、時間的に余裕はありませんでした。そして、私の体調がマックスで悪いときと重なってしまい、大変だからやらなくていいんじゃないかな?という気持ちも生まれていました。 でも、どうしても作りたかったんです。 だから、頑張りました。 そして、届いたフォトブックを見て、涙が出るくらい嬉しかったことを覚えています。
写真展が始まり、多くの方にフォトブックを手にとっていただきました。 みなさんが、「写真と一緒だから、文章が読みやすい」などとほめてくれました。また、2冊ずつしか作っていなかったので、販売予定はなかったのですが、「売ってほしい」と言ってくださる方もいました。
文学館の役割は、「見る」「知る」「読む」なんだそうですが、一番難しい「読む」という経験を身近なものにするお手伝いができた、ということですよね。
そう考えると、とても感慨深いというか、ここまで頑張ってきてよかったと、心から思えたんです。
話がずれますが…
もちろん、ハコいりムスメプロジェクトを通して、自分のできることの幅が広がった、というのも頑張ってよかったと思える要素の一部ではあります。でも、私にとっては、大佛次郎という人を少しでも多くの人に知ってもらえることのほうが、喜びにつながるんですよね。なぜか、は自分でもよくわかりません…(笑)
話を元に戻すと、きっと、「読む」というところまで持って行けたのは、イベント「レンズで見つめるMy Town!」を一生懸命作ったからだと思います。本当にあのメンバーでアイデアを出し合いながら過ごした時間は良いものだったなあ、といま書きながら思い出しています。
なので、私にとってこのフォトブック「ヨコハマ」は、1年間の集大成であるといえると思います。 だからこそ、ひとりでも多くの人に見てもらって、読んでもらいたいです。
それで、このフォトブックはいま、大佛次郎記念館で読むことができます! 実は、写真展のパネルの一部を特別展、という形で展示しているんです♪
5月に入ると港の見える丘公園はバラが咲いてとてもきれいなので、写真を撮りにくるのもおすすめです! ぜひ、港の見える丘公園&大佛次郎記念館まで足を運んでみてくださいね~!
次のブログが写真展の連載の最後になります。これから「レンズで見つめるMy Town!」をどうしていくのか、などを書けたらいいな~と思っています!