SVP東京の車田です。ハナラボのミッションや活動に共感し、昨年から協働させていただいています。普段は、アッヴィという外資系製薬企業の人事部で働いています。
先日、同じSVP東京のポロさんが、「ハナラボが目指すことの意義」についてブログを書かれました。今回私は、改めてハナラボの興味深い点について書いてみたいと思います。
私は仕事柄、女性の育成について考えることが多いのですが、初めてハナラボの活動について話を聞いたとき、どうして女子大生の育成と地域社会を組み合わせているのだろう?と素朴に疑問に感じたのを覚えています。
実は女子大生と地域社会って、対極にあるんですよね。課題を抱えるような地域社会って、年輩の方が多く、昔からの風習を尊重し、変化を積極的に受け入れられない傾向があるのではないかと思います。そこに真逆とも言える女子大生に来てもらうことで、女子大生が触媒となって意見に多様性が生まれ、課題解決に向けて変化への鼓動が始まる。
地域社会にとっては課題解決、女子大生にとってはリーダーシップ体現の場が得られる、まさにWin-Winのビジネスモデルで、本当に面白い組み合わせだと改めて感じています。
それに、ハナラボが女子大生のトレーニング手法として、デザイン思考を取り入れている点も興味深いです。デザイン思考は、ユーザーの状況や気持ちを深く理解し共感することからスタートし、問題定義、アイデア出し、試作、テストという流れでイノベーションを起こす手法です。
スタートの時点で、どれだけユーザーの状況や気持ちを深く理解し共感できるかで、その後の成果が大きく変わってくるのですが、女性は比較的、共感力が高いと言われるだけに、特に女性に適したイノベーション手法だとハナラボは考え、積極的に使われているわけです。
そんなデザイン思考ですが、たまたま別の場面でも出くわす機会に恵まれました。私はハナラボと協働するようになってから以降、最近になって今の会社へ転職したのですが、デザイン思考の考え方が今の会社、アッヴィのマーケティングで使われていたのです。
製薬企業のユーザーは、患者さんです。医薬品の対象となる病気の患者さんについて、仮想の人物を設定し、例えば15歳で発症したとして、病気の影響で学生生活でどんな辛いことがあるのか、その後の就職ではどうなのか、それが自社の医薬品に出会ったことで日々の生活がどのように変わるのか等、患者さんの立場で具体的な仮想ストーリーを紡ぎます。そんな患者さんのストーリーを基に、では製薬企業としてどのようなサポートができるのかを必死になって考える、そんなマーケティングがアッヴィで行われていたのですが、共感から始まるデザイン思考のコンセプトが基になっているのは間違いないと思います。
ハナラボと協働したことでデザイン思考について詳しく知ることができ、そのおかげで普段働く会社でのマーケティング手法についても理解が深まり、ハナラボと協働していて良かったと感じた瞬間でした。今後ともハナラボを支援しつつ、ハナラボからも学び、お互いに高め合っていけたらいいなと思います。
[…] 2014年3月28日(金)あれ?ここでもデザイン思考が:車田さん […]